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6/12山根明弘氏講演会「町ねこ調査を始めよう!」報告

バケツをひっくり返したような大雨で、警報や避難準備情報が県内・市内に発令される最悪の天気のなか、調査隊塾主催講演会「町ねこ調査を始めよう!」が開催されました。

JR九州が大雨による速度規制をかけた上に、長崎駅周辺の線路が冠水するなどして、小倉からいらっしゃる講師の山根先生の到着は1時間以上遅れました。

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講演会の開始も10分繰り下げ、事前の打ち合わせもそこそこに講演会は幕を開けましたが、それほどの悪天候にもかかわらず、熱心な参加者が40名近く集まってくださって、密度の濃い講演会となりました。

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講演の前半は、講師の山根先生が行なった福岡県相島のノラねこの生態研究について、後半は北九州市で行なわれている外ねこの生態調査について、お話がありました。昨年9月に開かれた長崎市動物愛護フェスティバル(於・長崎市ペンギン水族館)での講演から、さらに「調査の方法とその成果利用」に重点を置いて話された内容は、集まった参加者の方々の強い関心を惹いたようです。講演後に集められた「質問用紙」は半数の20枚近くに上り、「ねこの生態について」「町ねこ調査の実際について」「町ねこ調査の利用について」の3つの分野について、さらに詳しく山根先生からの解答をいただくことができて、有意義な講演会となりました。


以下、講演会後に回収されたアンケート結果です。

1) この講演会の開催をどのようにして知りましたか?(複数回答あり)
  • 主催者から聞いた:12
  • 調査隊塾で知った:2
  • 知り合いから聞いた:4
  • ちらしを見た:3……どちらでちらしをもらわれましたか?(娘、諫早で町ねこ調査隊の関係者から)
  • 新聞・テレビ・ラジオで知った:2……具体的に(西日本新聞)
  • その他:0
2) 山根明弘氏の講演と町ねこ調査について(興味深かった点、面白かった点、町ねこ調査をやってみたい地域、調査法への質問 など)
  • 私の住居近隣には、えさを与える家の周辺に、ノラネコたちが結構固まって生息しています。どのような分布なのか、調べてみたい気がしました。
  • 猫の習性を知ることで、様々なデータが取れる。この広がりはおもしろかった。
  • 町ねこの生態
  • 地域によって状況に特徴があること
  • ネコの生態は興味深い事でした。
  • エサの量で繁殖に差が出る
  • ねこ調査をして3カ月ほどで個体の数がわかってくるというのが早くてびっくりでした。早くやってみたくなりました。本格的に…。
  • ノラネコの調査について
  • ホームレンジを持っていることがおもしろい。
  • 7年間200匹について調査したというお話は、猫のために有意義であったと思います。単なる愛玩動物として飼ってきましたが、生態について研究すると面白いのではないかと思いました。
  • ねこのグループ別にエリアがあるという事が興味深かった。
  • 交尾が複数だということは知らなかったので、ノラネコの子どもが全然親と違う事が不思議でした。
  • それぞれの話が興味深かったのですが、最後に話された、どのようにしたら不幸にして亡くなっていく子猫たちを救うことができるのか、という点で、私自身いつも思っていることなので、あらためて考えさせられた。
  • 相島のような所の猫は幸せだなあと思いました。
  • 不思議だったのは、周りに迷惑をかけたくない住宅街の人たちが猫を外に出すことを良しとしているところで、私の住んでいる所ではとても考えられないことです。(糞尿被害)
  • 町ねこへの餌やりと不幸な子ネコの事
  • 常々、町ねこの存在が気がかりだった。地域の人に認めてもらえる猫はまだ良いが、猫の存在を最初から認めぬ人もいます。町ねこのことで、これだけ真剣に研究している人に感謝します。
  • 目をそむけたくなる事実、決して楽ではない調査、行政が動くまで、どうしても時間がかかってしまう、などのマイナス面を含めた内容に真実味があった。殺処分を減らすことにつながるという事が伝わった。
  • 粘り強くやっていくことが大事だと思った。
  • ある程度結果、集計が出てくると面白い。
  • 続けていくことの大切さが伝わってきました。時間はかかってもやっていきたい。
  • 行政が調査による基礎データをどう活かしていくか、そこが重要だと感じた。
  • ねこの区分法はなるほどと思いました。調査をすることで、その結果(ねこ実態)によって行政に対処法を考えてもらうということは、よい方法だなと思いました。
3) あなたとねことの関わりについて教えて下さい(今飼っているねこのこと、まちで見かけるねこのこと、ねことの思い出 など)
  • 日中仕事で家にいませんが、朝夕、ネコを見ると、一日うれしい気分になります。佐世保市でツシマヤマネコが見学できるようになったので、行きたいです。
  • まちづくりで地域に出た時に、猫の臭いが気になる所があり、問題視したことはあったが、手を付けることができなかった。
  • 娘が飼っていたねこが、車の下に入り込んでいたのに気付かず、引いてしまった。二度とねこは飼わないと思った。
  • ノラちゃんの仔をもらい11年、家族にだけしか慣れません。
  • 今、4匹のねこを飼い、癒され、満足しています。
  • ある日突然わが家にやってきたノラネコ。今やわが家のイエネコとしているが、外に出たがって、逃げ出そうとする。
  • 母(明治36年生まれ)の代から、長年猫を飼っている。一番多い時は、7匹いた。今は捨て猫を拾って3匹いる。(オス2、メス1)代々、皆利巧で頭の良いのに驚かされる。中でも黒猫(メス)が一番利巧だった。
  • 今までノラネコ6匹を、大きくなってから家ねこにして、ほとんど13年で亡くなり、今18年になるねこが1匹残っています。2年前から
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町ねこ通信 報告(通巻10号)

image002 町ねこクラブの小町です


長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」主催公開講演会
「町ねこ調査を始めよう! 」
講師:山根明弘氏(北九州市立いのちのたび博物館 学芸員)

公開講演会「町ねこ調査を始めよう!」は

2011年6月12日(日)14:00~16:00、

メルカつきまち(長崎市築町3-18)において開催されました。

町ねこ通信通巻10号は、この講演会をレポートします。


12日、長崎は朝から“バケツをひっくり返したような”

という表現がぴったりの大雨。

講演会に人が集まるだろうか、そればかりを心配していたのは

まだ甘かった!

講師の山根明弘さんを出迎えに長崎駅へ向かうと、

何と駅のホームが水没、辛うじて残っているひとつのホームを

使って列車の発着が行われている。

しかも山根さんを乗せた列車は、途中を徐行運転中とのこと。

講演会が始まる時刻より早めに長崎へ来ていただくようにしていたものの

はたして、山根さんは間に合うのだろうか。

ほんとうに列車は長崎まで来るのか?

そして、80分近く遅れて、やっと山根さんを乗せた列車が長崎駅の

ホームに到着。

遠くから見えてくる特急列車のヘッドライトの明るい光が

あんなに美しく見えたのは人生初の経験でした。

山根さんも長い列車の旅でお疲れだったはずですが

予定時刻には会場入りしていただきました。

参加者も、大雨で道路冠水もあっている中、

40名近くが集まっていただきました。

いよいよ、講演会が始まります。

まずはねこの分類から、お話が始まりました。

カイネコ:人間の所有権あり。

ノラネコ:人間の所有権はないが、人間の生活に依存している。

ノネコ:人間の所有権もなく、人間の生活に依存していない。(たとえば無人島にいるねこやオーストラリアで野生化しているねこ)

カイネコは、完全室内飼い と 家の外に徘徊が可能なねこ に分けられる。

そして、家の外に徘徊可能なカイネコとノラネコを

合わせて「町ねこ」と呼ぶのはとてもいいことではないかと

言っていただきました。

 

第1部     相島でのノラネコ調査

相島は玄界灘に浮かぶ小さな島(面積125ヘクタール)で

山根さんが調査された20年ほど前は人口500人あまり、

島のほとんどの人が漁業で生計を立てていました。

山根さんはこの相島に7年間通い、あるいは住み込み、約200匹のねこを調査され、

今でもこのねこたちは鮮明に覚えていらっしゃるそうです。

魚が獲れれば、魚のアラ(骨や内臓、皮など)が大量に捨てられ、

それをねこが食べ、きれいに片づけてくれる、

ある意味で人とねこが共生している島かも知れない。

(講演会のアンケートにも「相島のような所のねこは幸せだな」書いてありました。)

山根さんはこの島でねこに名前を付けて、そのねこを見つけた場所と時刻、

何をしていたかを記録し、データにまとめられました。

講演会のパワーポイントにもたくさんのねこたちの写真が登場しましたが、

山根さんは、その1匹1匹の名前を今でも覚えていらして、驚きました。

相島のねこと山根さんの深い絆を感じます。

相島でのノラネコ調査については

山根明弘『わたしのノラネコ研究』さ・え・ら書房

に詳しく書かれています。ぜひ、お読みください。

 

第2部     北九州市のネコ実態調査隊

後半は2年前の6月から北九州市で始まったネコ実態調査についてのお話でした。

山根さんは北九州市動物愛護推進員3名のボランティアさんと一緒に

3地区(小倉南区城野・八幡東区春の町・門司区柳町)でネコ実態調査を実施し、

データを蓄積して来られました。

まず、市街地でのねこ調査がどの程度可能なのか(事例がほとんどない)から始まり、

いろいろ心配もされたそうですが、

いざ始めてみると、汗をかいて外で動いている調査員の姿を見て

ほとんどの人が協力的だった。

たとえば、ねこよけのネットを張っているような人でも

「ねこは悪くない、悪いのは人間」と言われたそうです。そして

1)個体数の推定

2)カイネコ(屋外徘徊型)とノラネコの割合

3)様々な事例の蓄積

を目的に今も調査を続けていらっしゃいます。

調査は月に1回~2回。

ほぼ3ヶ月~4ヶ月でねこの個体識別が終わる。

調査対象の3地区はそれぞれ地域の特徴が違い、

街の特徴によって、ねこの生活形態も違ってくる、

それにより行政の対策も立てやすくなるだろう。

 

第3部 これからの課題

1)高カロリーの餌が安価で出回り、不妊手術をしていないノラネコたちは

餌を与えられれば与えられるほど年に何回も出産する。

生まれた子ねこはその後どうなるのか?

側溝で野垂れ死にしていたり、カラスに襲われたりして、

5匹生まれても1年後に生き残るのは1匹くらいだろう。

ネガティブな話題だが、生まれた子ねこの何匹が生き残れるのか、

データを作りたい。

2)調査を続けて行くことのむずかしさ

ともに調査をしている動物愛護推進員の方たちは、

ねこの殺処分を減らしたいという気持ちでネコ実態調査に協力して来られたが、

データを行政に投げかけても、行政は動かない。

財政的なむずかしさもある。そのことでボランティアのモチベーションが上がらない。

データを積んでいってもねこを救えない。

これが今直面している問題点だとおしゃいました。

きれいごとや建て前だけでなく、本音の部分を話していただき、ありがたかったです。

最後に山根さんは

行政は確かになかなか動いてはくれない。

しかし、こうして長崎でも町ねこ調査が始まったように、

この調査が全国に広がり、100の中の5つの自治体でも動いてくれれば、

変化していくだろう、と締めくくられました。

 

この後、15分の休憩をはさみ、その間に参加者に書いてい
ただいた山根さんへの質問を

副塾長の中村淳さんがまとめられ、

山根さんと中村さんの1対1の質問タイムが30分ありました。

質問タイムの内容もおもしろかったのですが、長くなってしまいましたので、

次号に回します。ご期待ください。


講演会の後、山根さんを囲んで懇親会を持つ予定でしたが、

列車の運休が続いているため、今日中に帰られる予定の山根さんは

急いで長崎駅へ向かわれ、ちょうど出発寸前だった上り特急列車に

飛び乗られました。

大雨のために、慌ただしいスケジュールになってしまい、

山根さんにもご負担をかけてしまいました。

またいつか長崎へ来ていただく機会があれば、

その時にはゆっくり長崎の町ねこたちにも

会っていただきたいと思います。

 

山根さんはもちろんのこと、会を運営していただいた塾生のみなさま、

協力していただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。

この場をかりて、お礼申し上げます。

 

長崎の町ねこ調査隊塾

塾長 中島由美子

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町ねこ通信 7号

もくじ
1. お知らせ

  • 町ねこ調査を始めよう! ──山根明弘氏講演会──
2. ねこ調査・アラカルト No.3

  • はじめての町ねこ調査
3. ねこ、あれこれ No.3

  • 名優、茶トラ登場 ──ティファニーで朝食を──
4. おわりに

image002 町ねこクラブの小町です


1. お知らせ

町ねこ調査を始めよう! ──山根明弘氏講演会──
身近にいる町ねこたちについてもっとよく知ってみませんか?

日時 2011年6月12日(日)14:00~16:00 (13:30開場)
場所 メルカつきまち 5階会議室 長崎市築町3-18 (TEL:095-823-9333)
入場 無料
主催 長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」

山根明弘さんは、玄界灘に浮かぶ小さな島(福岡県新宮町相島)で、

家を借りて住み込みながら7年間、毎日のようにノラネコを追いかけました。

顔を覚え、名前を付けたノラネコの数は200匹以上にのぼるそうです。

そして2009年からは、北九州市ネコ実態調査隊として、

市の動物愛護推進員のメンバーといっしょに、ねこ調査を始められ、

着々と街中のねこたちのデータを蓄積されています。

おもしろいお話が聞けます。このチャンスを逃す手はありません。

ぜひ、ご参加ください。お待ちしています。

くわしくは、こちら

 

2. ねこ調査・アラカルト No.3

はじめての町ねこ調査

長崎の町ねこ調査隊塾は、6月4日(土)第3回定例会の中で、

はじめて“町ねこ調査”をやってみました。

場所は長崎市寺町界隈。中心部にある繁華街からちょっと外れた

昔ながらの商店や民家が並ぶ街。その名が示す通り、お寺も多い。

堂々と路上で昼寝をしているねこを見かけたこともあり、

ねこにとってはかなり住みやすい場所に思えます。

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さて、はじめてのおつかい、ならぬ町ねこ調査。

はたしてねこを見つけることができるのか、

ドキドキワクワクしながら、総勢13名で出かけて行きました。

いましたよ、ねこさん。

夕方の時間帯がよかったのか、20匹くらいのねこと遭遇。

しかし、たくさんの人間に突然囲まれ驚いたのか、

一目散に止めてあった車の下に逃げ込むねこも……。

次はできるだけ静かにやりますから、

初心者だと思って

今回はゆるしてやってくださいませ。

ながさき町ねこクラブ&長崎の町ねこ調査隊塾のブログでは

この町ねこ調査の様子を詳しく写真付きでレポートしています。

また、副塾長作成のPowerPointスライドショーファイル

町ねこカルテを使ってみる」もブログにあります。

ねこ調査の方法をわかりやすく、解説しています。

ぜひ、ブログをのぞいてみてください。

 

3. ねこ、あれこれ No.3

名優、茶トラ登場

作家トルーマン・カポーティは小説『ティファニーで朝食を』に

「茶色の雄の虎猫」を大事な脇役として登場させた。

その茶トラは、そのまま映画「ティファニーで朝食を」にも

主人公ホリー役のオードリー・ヘップバーンに思いっきり愛される

うらやましき猫として出演している。

ホリー・ゴライトリーは川べりで巡り会い、

家に連れてきた猫に名前を付けない。

それは「私たちはお互い誰のものでもない、

独立した人格なわけ」だから。

ホリーはその茶色の虎猫を溺愛する。

非常階段に座って、ギターをつま弾きながら

髪を乾かす時にも、そばには猫がいた。

ホリーは足の指に赤いマニキュアを塗りながら、

猫の髭も赤く染める。

そんなに仲のいい一人と一匹にやがて悲しい別れがやってくる。

映画はハッピーエンドだが、小説はそう単純ではない。

しかし、どちらも茶トラには幸せな結末が待っているので、ご安心を。

人間世界では名作として有名な

「ティファニーで朝食を」も

ねこが見たら何と言うだろう。

一度感想を聞いてみたいものである。

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『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ(村上春樹訳・新潮社)

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『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ(龍口直太郎訳・新潮社)

 

4. おわりに

毎日新聞2011年5月27日(金)の長崎版

“長崎の町ねこ調査”が紹介されました。

「街の猫 調査を開始」の大きなタイトル、写真は2枚、

かなり大きな記事でした。

盛り沢山の内容をコンパクトにまとめた文

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第1回~第3回定例会報告

第1回定例会(2011/5/13)

日時:2011年5月13日(金) 19:30~20:30
場所:長崎県勤労福祉会館3階小会議室C
出席者:19名

平成23年度長崎伝習所 塾 開所式に引き続いて開催されました。

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開所式のようす

はじめに、塾長より塾の目的と内容について、また「町ねこ調査」とはどういうものなのか、スライド資料(当日はプロジェクタが使用できなかったため印刷したものを配布)をもとに説明がありました。

続いて、出席者の簡単な自己紹介があり、それぞれの入塾動機やねことの関わりについて述べられたあと、事務局構成の紹介も行われました。

最後に、今後のスケジュールについて、おおまかな年間スケジュールと、向こう1ヶ月ほどの定例会・講演会情報について周知がなされ、閉会となりました。


第2回定例会(2011/5/28)

日時:2011年5月28日(土) 18:30~20:45
場所:アマランス(長崎市男女共同参画推進センター)会議室1
出席者:4名(オブザーバ1名含む)

折からの台風接近に伴う悪天候のため、ごく少人数での開催となりました。

前回定例会の報告ののち、6月12日山根氏講演会内容と準備の確認、町ねこ調査を行なう際の事前準備(地元自治会等への連絡を含む)、次回定例会の際に行なう「町ねこカルテの使い方」スライド資料の用意、などについて話し合いを行ない、閉会としました。


第3回定例会(2011/6/4)

日時:2011年6月4日(土) 18:00~20:30
場所:アマランス(長崎市男女共同参画推進センター)会議室1
出席者:13名(オブザーバ1名=安西所長含む)

9月18日(日)の北九州市への町ねこ調査見学ツアーについて周知がなされたあと、スライド資料を使って「町ねこカルテの使い方」について副塾長より説明がされました。

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PowerPoint スライドショーファイル

その後、各自10枚程度の町ねこカルテと色鉛筆、デジカメ・ケータイカメラなどを手にして、アマランスからほど近い寺町周辺の町ねこ調査を行ないました。

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ひとなつこいねこが多いこの地区では、近所のひと同士でお金を出し合って不妊化手術も行なわれています。一方で、すぐ近くにはこのような貼り紙や看板も。

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住宅密集地におけるねこ好きとねこ嫌いの対立は、ひそかに根深いものがあります。「餌をやるから増えるんだ」vs「増えるのは、猫を捨てに来る悪い人間がいるからだ」。ここのねこ好きの方は、増えないように不妊化手術を施し、糞尿の被害が出ないように近所を掃除して回って、それでもなかなかねこ嫌いの方の理解は得られない。

「どういうねこがいるのか(飼いねこか、ノラねこか)」「どうして増えるのか(ねこはどこから・どうしてやってくるのか)」「どうすれば減るのか」。実は、都市に住むねこのそうした生態は、きちんとしたデータの裏づけの上で議論がなされているとは言いがたい状況にあります。まずは地域のねこについてよく把握することが必要。町ねこ調査の大きな目的の一つは、その部分にあります。地域のねこを把握するための「カルテ」をつくること。生産的な議論は、そこから始まるはずです。

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首輪を付けているこのキジシロは、飼いねこでしょうね。駐車場の車の下にいました。

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軒先に出てきた白ねこですが、毛並みはふさふさです。たぶん内外飼い。

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金色の鈴に紺(黒?)の首輪のグレーキジ。

飼い主のいない、文字通りのノラねこは、この地区ではあまりみかけませんでした。内外飼いの多いのは長崎の特徴のひとつですが、車通りは少ないとはいえ、時々すごいスピードで飛ばしていく車もないわけではないので、街歩きをしながら冷や冷やしました。

1時間ほどの町ねこ探しののち、再び会議室に戻って、6月12日の山根氏講演会の役割分担・懇親会出席の確認、次回定例会の周知が行なわれて、閉会となりました。

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6/12山根明弘氏講演会「町ねこ調査を始めよう!」のお知らせ

ながさき町ねこクラブ・長崎の町ねこ調査隊塾の活動のきっかけとなった山根明弘氏による「町ねこ調査」の講演会が下記の通り開催されます。入場無料・事前申込不要でどなたでもご参加いただけます。皆様ふるってのご参加をお待ち申し上げます。

町ねこ調査を始めよう!
──身近にいる町ねこたちについてもっとよく知ってみませんか?──

平成23年度長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」主催公開講演会
●講師 山根明弘氏(北九州市立いのちのたび博物館 学芸員)
●日程 2011年6月12日(日)
●時間 14:00~16:00(13:30開場)
●場所 メルカつきまち5階会議室(長崎市築町3-18)
●入場無料・事前申込不要(どなたでも参加自由です)
●問い合わせはこちらのフォームよりお寄せください。

講演会趣旨

北九州市で2年間にわたり、地元の動物愛護ボランティアの方たちとともに町ねこ調査を続けてきた山根明弘氏(北九州市立いのちのたび博物館・学芸員)をお招きし、町ねこの生態や町ねこ調査の実際についてお話をうかがいます。そして、町ねこを調べることを通じて、「人間にも動物にも住みやすい優しい街づくり」をどのように実現していくか、考えてゆきたいと思います。

講師プロフィール

1966年、兵庫県西宮市生まれ。九州大学理学部卒業(理学博士)。国立環境研究所、京都大学霊長類研究所を経て、現在北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)の学芸員を務める。専門は、動物の生態学と集団遺伝学で、最近はサウジアラビアのマントヒヒの生態も研究。著書に、玄界灘に浮かぶ小さな島(福岡県新宮町相島)において行なった7年間200匹のノラネコの調査・研究をまとめた『わたしのノラネコ研究』(さ・え・ら書房)などがある。

町ねことは?

まちなかを自由に歩き回るねこのことです。いわゆるノラネコのほか、家の中と外を行き来する飼いねこも含みます。
わたしたちの暮らしのなかで日常的に見かける身近なねこですが、その生態は意外によくわかっていません。

長崎の町ねこ調査

「長崎は、猫の多かけん」「尾曲がり猫は長崎の猫の特徴」などとよく言われます。車の入らない路地、急な坂道や階段など、長崎に点在する独特のまちなみの中を、町ねこたちは自由に歩き回ります。
ねこを愛し、可愛がる人々も多い反面、住宅の密集化により、糞尿や鳴き声、庭荒らしなど、ねこに関する苦情も多く見られます。また、捨てねこによる殺処分数は全国的に見ても多いのが実情です。
「長崎の町ねこ調査隊塾」では、人間にとって身近な動物である町ねこと平和に共存する方法を探るため、町ねこの実態を観察・記録し、データとして蓄積して生かしていくことを目的に活動を行なっています。

講演会ちらし

「知り合いに配りたい」「近所のお店に貼りたい」などのご希望がありましたら、こちらのフォームよりご連絡ください。A4判サイズとなります。

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長崎の町ねこ調査隊塾-定例会日程(5/31追記)

5月13日(金)に長崎市勤労福祉会館で開催された第1回定例会に引き続き、第2回以降の定例会を以下のように予定しています。

第2回=2011年5月28日(土)
18:30~20:30 アマランス会議室1
第3回=2011年6月4日(土)
18:00~19:00 プレねこ調査(寺町周辺)
19:00~20:30 アマランス会議室1
第4回=2011年6月19日(日)
14:00~16:00 中央公民館2階第1研修室 第3研修室(5/31修正)
第5回=2011年7月2日(土)
18:30~20:30 アマランス会議室1
第6回=2011年7月17日(日)
14:00~16:00 市立図書館研修室1・2 研修室1~3(5/31修正)

以降も毎月第1土曜日に夜の定例会、第3日曜日に昼の定例会を予定しています。

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町ねこ通信 6号

もくじ
1. お知らせ

  • ブログ、デビュー!
  • 町ねこ調査をやってみよう ──山根明弘氏講演会──
  • 長崎の町ねこ調査隊塾・定例会
  • 犬とねこの譲渡会
2. ねこ調査・アラカルト No.2

  • その1 長崎伝習所開所式&長崎の町ねこ調査隊塾第1回定例会の報告
  • その2 ノラネコの哀しみ
3. おわりに
4. おまけ

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1. お知らせ

ブログ、デビュー!

ながさき町ねこクラブ&長崎の町ねこ調査隊塾のブログができました。

アドレスはこちら→http://machineko-club.sblo.jp/

さるねこふみのブログでおなじみの、オフィスさるねこさんが立ちあげてくださいました。ありがとうございます。

アクセスすると、これまでの町ねこ通信のバックナンバーがぜぇーんぶ読めます。

町ねこ通信だけでなく、長崎の町ねこ調査隊塾の活動報告も掲載予定。

どうぞ、よろしく。

町ねこ調査をやってみよう! ──山根明弘氏講演会──

山根明弘氏をお招きしての講演会「町ねこ調査をやってみよう!」が開催されます。

日時 2011年6月12日(日)14:00~16:00 (13:30開場)
場所 メルカつきまち 5階会議室 長崎市築町3-18 (TEL:095-823-9333)
入場 無料
主催 長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」

塾生だけでなく、だれでも、参加できます。

ねこの“プロ”山根さんに、ねこ調査のノウハウを教えていただきます。

楽しくて、ためになって、しかも来場者にはもれなく、

長崎の町ねこ調査隊塾オリジナルの「ながさき町ねこカルテ」をプレゼント!

この絶好のチャンスを逃す手はありません。

お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。

お待ちしています。

山根明弘氏 プロフィール
北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)学芸員
1966年兵庫県西宮市生まれ
九州大学理学部卒業 理学博士
国立環境研究所、京都大学霊長類研究所を経て、現職。
専門は、動物の生態学と集団遺伝学。最近はサウジアラビアのマントヒヒの生態も研究。
著書:『わたしのノラネコ研究』さ・え・ら書房
玄界灘に浮かぶ小さな島(福岡県新宮町相島)において、7年間、200匹のノラネコの調査・研究。
長崎の町ねこ調査隊塾定例会のお知らせ
第2回定例会
2011年5月28日(土)18:30~20:30 アマランス会議室1
第3回定例会
2011月6月4日(土)18:00~20:30 アマランス会議室1
(注:18:00から1時間ほど寺町周辺でプレねこ調査の予定です)

お問い合わせはこちらのフォームよりお願いいたします。

犬とねこの譲渡会のお知らせ

5月の譲渡会の予定については、

さるねこふみのブログに詳しく掲載されています。ぜひ、ご覧ください。

 

2. ねこ調査・アラカルト No.2

<その1>長崎伝習所開所式&長崎の町ねこ調査隊塾 第1回定例会の報告

5月13日(金)午後7時から、長崎県勤労福祉会館講堂にて

長崎伝習所開所式が開催されました。

長崎伝習所には「長崎の町ねこ調査隊」のほか、

「ナガサキポルトガルシルシル塾」

「長崎ビューポイント探訪塾」

「坂のまち長崎なのに自転車塾」

「孫文・梅屋庄吉の明治大正長崎事情塾」

があります。そのすべての塾が集まり、会場は熱気に溢れていました。

伝習所ロゴ入りのハッピ(はっきり言ってダサいです)を着せられ、

壇上で1分間のあいさつをしなければならず、緊張のあまり、倒れるかと思いました。

開所式も無事終わり、部屋を移動して、初の長崎の町ねこ調査隊塾の顔合わせ。

この日までに34人の申し込みがあり、当日の参加は19人でした。

もし、私と事務局担当のHさん(動物管理センター職員)だけだったらどうしようと

内心ビクビクものでしたが、部屋にはたくさんの人が集まっていて、

うれしい想定外でした。

やっぱりねこは人を招くのですね。

お忙しい中、参加いただき、ありがとうございました。

 

定例会は、町ねこ調査って何?というお話から始め、

次に事務局の紹介、そして、自己紹介。

20代らしき若い人からご高齢の方まで年齢層もいろいろ。

男性が3割ほどで、やや女性上位かな。

一言だけの自己紹介でしたが、ねこへの愛情は十分に伝わってきました。

塾の活動スケジュールなどを話し合い、8時半に閉会。

じつはその後、会場に残った数人で食事に行きましたが、ねこ談義で盛り上がること!

「こんなにねこを語れる所って、他にないです」とすごく喜んでくださった人もいて

楽しいひとときでした。

定例会はもちろん、その後のおまけタイムにも、どうぞ。

 

<その2>ノラネコの哀しみ

町ねこ通信5号(通巻6号)の「おわりに」に書きました、

小さい小さい子ねこのお話の続きです。

一度はミルクをまったく飲まなくなり、やせ細って家族みんなで心配しましたが

獣医さんの治療がうまくいき、今ではミルクもよく飲み、元気になりました。

あのまま保護されなければたぶん生きてはいない子ねこが

いっぱいの愛情に包まれ、命を育んでいます。

偶然が子ねこに幸運を運んでくれたのでしょう。

しかし、この子ねこの背後には数知れない命が育つことなく、消えてしまっています。

たとえ生きながらえたとしても、ノラネコには過酷な試練が待っています。

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初夏の日差しがまぶしいある日、

長崎の街が一望できる小高い丘にある公園に出かけました。

ここは江戸時代から凧(長崎ではハタと呼びます)上げの名所として

長崎の人に親しまれている所で

休日ともなると、上空高く上がった凧が風に舞い、

その下で真剣に糸を引くたくさんの人がいます。

その傍らでは、子どもたちがボールを追いかけて走り回り、

にぎやかな歓声が聞こえてきます。

その喧噪を避けるかのように、ひっそりとねこがいました。

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やせていて、目やにがいっぱい、毛並みも悪く

栄養状態が悪いことは、見ただけでわかります。

この近くに人家はなく

ここのねこたちはどうやって餌を得ているのか、

たぶん餌やりさんがやってきて、餌を置いていくのでしょう。

そのわずかな糧が、このねこたちの生命線です。

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病気になっても、ノミやダニのために痒くても

だれも助けてはくれません。

暑くても、寒くても、雨でも雪でも

じっとがまんしているのです。

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ここに来るまでは

空き地でのんびり昼寝をしたり、

路地を優雅に散歩するねこたちを見ては

「ノラネコは自由でいいなぁ」と思っていました。

でも、それはある程度の質や量の餌がもらえて、

雨露をしのぐねぐらを持つ

町中のノラネコだけ、です。

ここに暮らすねこたちは、人家から遠いこの場所に

人間の手によって捨てられ、

かろうじて生きてきたのです。

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無責任な人の行為が

不幸なねこを生み出しているのだとすれば

それをストップできるのも

人間しかいません。

町ねこ調査は、ねこの頭数や生態を調べるだけでなく

このねこたちが訴えている問題も

合わせて考えていきたいと思います。

犬やねこの遺棄については、動物愛護推進協議会が

「飼えないからって、捨てないで」キャンペーンを展開中です。

詳しくはオフィスさるねこのブログをお読みください。

 

3.おわりに

「サラリーマンNEO」というテレビ番組を知っていますか?

NHK総合火曜日午後10:55~11:25に放送されています。

この春からseason6に入った人気番組。

サラリーマンの悲喜こもごもの生態?を

ギャグあり、パロディありで

笑わせながら見せる、NHKっぽくないカラーです。

何がおかしいかと言って、

NHKがNHKの番組をパロディにしてしまうところ。

おい、おい、そこまでやる?って思うほど、自虐的。

――と前置きが長くなってしまいましたが、

そのサラリーマンNEOの

オープニング音楽に合わせて、

二匹のねこたちが頭を振るのです。

そのしぐさがたまらなくかわいい!

が、その二匹、はたして

ほんもののねこなのか?

よくわからないのです。

巧妙にできた偽ねこのようにも見えるし、

どなたかあのねこたちをじっくり見て、

真相を教えてくれませんか?

 

おまけ

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町ねこ通信 お知らせ

image002町ねこクラブの小町です


長崎伝習所 開所式&第1回定例会のお知らせ

いよいよ、長崎の町ねこ調査隊塾がスタートします。

2011年5月13日(金)
午後7時から伝習所開所式 (6時30分受付)
午後7時30分から第1回定例会を開きます。
場所:長崎県勤労福祉会館2階 講堂 (長崎市桜町9-6 / 長崎市役所水道局と公会堂の間)

長崎の町ねこ調査隊塾は、5月11日現在、応募者数30名です。

たくさんの方に参加いただき、ありがとうございました。

応募いただきました皆様には、伝習所事務局よりご案内のはがきが

届いていることと思いますが、

13日午後7時からの開所式&定例会に

ぜひ、ご参加いただきますよう、重ねてお願いいたします。

長崎伝習所には

長崎の町ねこ調査隊」のほか

ナガサキポルトガルシルシル塾

長崎ビューポイント探訪塾

坂のまち長崎なのに自転車塾

孫文・梅屋庄吉の明治大正長崎事情塾

があります。

それぞれ個性豊かな、活気あふれる塾です。

開所式にはすべての塾がそろいます。

長崎伝習所の雰囲気を知っていただく、いい機会です。

第1回定例会では、塾生の顔合わせのほか、1年間のスケジュールや

町ねこ調査の方法などについて話し合います。

みなさんのご参加をお待ちしております。

 

「長崎の町ねこ調査隊塾」中島由美子

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町ねこ通信 5号

もくじ
1. お知らせ
2. ねこのいる町 ──vol.3 伊良林周辺──
3. おわりに
4. おまけ

image002町ねこクラブの小町です


1. お知らせ

長崎の町ねこ調査隊塾がいよいよスタートします!

長崎伝習所の開所式が

2011年5月13日(金)19:00(開場18:30)

長崎県勤労福祉会館2階 講堂(桜町9-6 / 長崎市役所別館(水道局)と公会堂の間)

にて開催されます。

4月30日現在のお申し込みは29名です。

たくさんの人にお申し込みいただき、ほんとうにありがとうございました。

開所式の後、初めての定例会(19:30~20:30)を同じ会場で開きます。

1年間の活動スケジュールなどを決める予定です。

お申し込みいただいたみなさま、ぜひお集まりください。

よろしくお願いいたします。

なお、締め切りは4月30日までとなっていますが、

しばらくの間、申し込みを受け付けます。

町ねこ調査、あなたもごいっしょにどうぞ。

お問い合わせは、こちらのフォームよりご連絡ください。

 

第51回ねこ会議

2011年5月14日(土)14:00~16:30
出島交流会館4F第5会議室(長崎市出島町2-11)

“ねこ”でご近所とトラブルになり、困っています。どうしたらいいでしょう?

“地域猫”について詳しく知りたいのですが……。

ねこについて“何か”話したい。

どうぞ、ねこ会議にお出かけください。

ねこのプロ?みたいに、ねこ問題に詳しい人、

とにかくねこが大好きな人が

月に1回集まってワイワイガヤガヤ話し合っています。

初めての方も大歓迎!

気軽に足を運んでください。

詳しくは、長崎県地域猫活動連絡協議会のホームページをご覧ください。

 

2. ねこのいる町 ──vol.3 伊良林(いらばやし)周辺──

4月22日、長崎伝習所の第1回塾長会議が開かれました。

会議が終わり、集まった人たちが席を立ち始めた頃、

「長崎の犬やねこ事情について、とてもよくまとめてあります。

ぜひ読んでみてください」と

<ながさきのいぬ・ねこについてごぞんじですか?>の

パンフレット(オフィスさるねこ制作)を塾長のみなさまに配りました。

私の目の前に座っていらした年配のMさんは、

伝習所の中でも格式高き歴史分野の塾長さん(もうバレバレですね)。

てっきり「ねこなんかに興味ないね」と無視されるかと思いきや、

にっこり笑って

「ぼく、じつは、ねこ大好きなんだよね」

えっ、えーとびっくりしていると

「長崎の中でいちばん好きなねこは、龍馬のブーツのとこにいるねこ。

あのふてぶてしさがいいよね」と。

すると周りにいた人たちから「知ってる、知ってる」

「観光客がよく写真撮ってるよね」との声があがり、

そんなに有名なねこを知らなかったなんて

「長崎の町ねこ調査隊塾」塾長としては、

立場ないっす。

それにしても龍馬のブーツって、なあに?

それってどこにある?

昨年の大河ドラマ「龍馬伝」もほとんど見ていない私のこと、

(福山雅治が嫌いだからではありません。念のため)

当然のように、龍馬ゆかりの亀山社中がどこにあるのかさえ知らず、

かのねこを求めて、伊良林にある亀山社中記念館と

そのすぐそばにある龍馬のブーツ像を探し回りました。

亀山社中とは、1866年に坂本龍馬らが結成した商社で

海運業や通商活動を行ったそうです。

地図を片手に中島川に架かる橋を渡り、中通り商店街を抜けて、

寺町通りに向かって歩いていると、

見ず知らずのかなり高齢な女性から

「何か探しとるとね?」と声をかけられ

「亀山社中に行きたいのですけど」と返すと

「ああ、亀山社中なら、この道をまっすぐ上がって……」

と親切に道を教えてもらいました。

観光客だと思われたらしい。

長崎人は、よそからやって来た人にすこぶる

時として信じられないほど、親切なのです。

教えてもらった通りに歩いていくと

こんなものを発見!

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捨てねこを保護していらっしゃるのか、飼いねこが産んだ子ねこなのか

お話を聞いてみたかったのですが、残念ながらお留守でした。

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さらに進むと、寺町通りの興福寺が見えてきました。

この山門は長崎でいちばん大きく、朱色が目を引きます。

それを右手に見ながら歩き続けると、亀山社中記念館へ上る道がありました。

さあ、そこからが大変。

急斜面に沿ってくねくねと続く狭い坂道を

上れども上れども、目的の場所に着きません。

「まだなの?」

と弱音を吐く人が多いのか

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こんな看板があちらこちらにありま
した。

やっとのことで

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亀山社中記念館にたどり着き

そして龍馬のブーツへ。

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ちなみにこのブーツの中は空洞で中に足を入れることができます。

訪れた人たちが代わる代わる記念撮影をしていました。

そして、ついにめざすねこ発見。

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うーん、やっぱりふてぶてしいかな?

いろいろ聞いてみると、このブーツの近くには

似たようなねこたちが複数いるらしい。

よってこのねこさんがMさんお気に入りのねこなのか

それはまだ判明していません。

 

3. おわりに

1週間ほど前のこと。

用事があって実家を訪ねると

リビングに見慣れない段ボールがあり、

中をのぞくと小さな、小さなねこが1匹いました。

か細い声でミーミーと鳴いています。

聞けば、前日、小学生の甥っ子が

カラスに連れて行かれそうになっていた

子ねこを拾ってきたそうです。

ながさきの町ねこクラブを立ち上げ、

長崎の町ねこ調査隊塾・塾長の私ですが、

物心ついてから今まで

一度もねこを飼ったことはありません。

つまり、実家に初めてやってきたねこ、だったのです。

ミルクを作って飲ませても、なかなか飲んでくれません。

実家の家族はみんな“ねこの初心者”

どうしていいのかわからず、右往左往です。

困ってしまって、長崎猫の会のTさんに助けを求めました。

とても親切にいくつかアドバイスをもらい、

その後、子ねこは順調にミルクを飲み始めました。

何十年もねこのいなかった家に、突然やってきた子ねこ。

これも何かの縁でしょうか。

実家ではこの小さなお客さまを

家族として迎え入れることになりました。

町ねこクラブの小町ちゃんのような

かわいいねこに育ってくれるように

祈っています。

 

4. おまけ

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町ねこ通信 4号

もくじ
1. お知らせ

  • いぬねこ里親譲渡会
  • 「飼えないからって、捨てないで」キャンペーン
  • 長崎の町ねこ調査隊塾 募集中
2. ねこのいる町 ──vol.2 稲佐悟真寺国際墓地――
3. ねこ、あれこれ

  • 『ノラや』に思う、ねこと人の縁
4. おわりに
5. おまけ

image002 町ねこクラブの小町です


1. お知らせ

いぬねこ里親譲渡会が開かれます。

日時:2011年4月24日(日)13:00~17:00
場所:宝町公園(長崎市宝町10 / 銭座町電停バス停より徒歩1分 / ココウォークより徒歩3分)
主催:しっぽの会
共催:長崎猫の会・長崎ライフオブアニマル
チャリティー・フリーマーケットもあります。

宝町公園は電停・バス停の目の前にあり、交通のアクセスも便利。

かわいいワンコやニャンコが待っています。

ちょっとのぞいて見ませんか?

 

“飼えないからって、捨てないで”キャンペーンがスタート

長崎県・長崎市・長崎のボランティア団体が協力し、

動物愛護意識の啓発キャンペーンが始まります。

長崎市内にある自治会掲示板なんと約2,700か所!に啓発ポスターが貼られ、

啓発のちらしが自治会の回覧として回ることになっています。

動物愛護のためにこれほど大がかりなキャンペーンが展開されるなんて

すごいことです。(拍手!)

昨年8月、熊本市動物愛護センター松崎所長の講演会に足を運ぶまで、

長崎市でこんなに多くの犬やねこたちが殺処分されている事を私も知りませんでした。

ポスターを見て「えっ、これって何だ?」と目をとめ、

ちらしを読んで「ああ、そうなんだ」と気付き、

一人でも多くの人に物言わぬ動物たちの命に

関心を持ってもらいたい――そう切望しています。

詳しくは

さるねこふみのブログをご覧ください。

 

長崎伝習所「長崎の町ねこ調査隊塾」募集中

応募のしめきりは4月30日(土)

ある時、ある人から、「町ねこ調査」について聞かれました。

「ねこば追いかけるとね?」

いいえ、追いかけるのではなく、観察するのです。

「ねこの絵ば描くとやろ?」

いいえ、ねこの絵をスケッチして楽しむ会ではありません。

一匹、一匹のねこを見分けるために、カードにその特徴を描き込むのです。

「ねこ好きの集まりね?」

いいえ、ねこの好きな人だけでなく、ねこに少しでも関心のある人なら

きっと楽しんでもらえる「町ねこ調査」です。

参加希望の方は、こちらのフォームよりご連絡ください。

長崎伝習所ホームページでも募集しています。

 

2. ねこのいる町 ――vol.2 稲佐悟真寺国際墓地――

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稲佐悟真寺国際墓地と桜

長崎市稲佐山(いなさやま 333メートル)の頂上には展望台があり、

ここから見下ろす長崎の港やそれを囲む町並みは絶景です。

とりわけ夜景はすばらしい。

そのふもとにある稲佐地区は名所旧跡も多く、長崎観光のスポットになっています。

そのひとつが稲佐悟真寺国際墓地。

悟真寺は1598年に開祖され長崎では最も古い歴史を持ち、中国人の菩提寺とされ、

唐人(とうじん)墓地がつくられました。

1649年からはオランダ人墓地、1853年にロシア艦隊が来航した後はロシア人墓地もつくられ、

現在もそれぞれの墓地が残っており、その特徴がよくわかります。

と、前置きが長くなってしまいましたが、

「稲佐の国際墓地にねこさんがいっぱいいるよ」との情報を得て、桜満開の4月上旬、ねこを探してきました。

ここも前回の十人町(じゅうにんまち)同様、急な斜面地、狭い路地、

上と下にバスの通る大きな道路はあるものの、このあたり一帯はほとんど車が通らない、

いわばねこのサンクチュアリです。

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江戸時代、稲佐には庄屋の屋敷や富豪の別荘などがありましたが、

今では港を挟んだ対岸の繁華街に比べると寂しい町になり、人通りも少なく、ねこさんたちが堂々と道を闊歩していました。

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空き地で獲物をねらうねこ

墓地の中には広い空き地もあり、何かをハンティング中のねこさんを発見。

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しかし、カメラを構えたあやしげなおばさん(私です)に気づいて、脱兎のごとく逃げ出してしまいました。

このねこに限らず、この日出会ったねこさんはみな警戒心が強そうでした。   

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墓地の入り口付近、塀に上るねこ

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墓地の近くの路上にて

この日は午後5時過ぎから6時過ぎまでほぼ1時間のねこ探訪の間に、

5匹のねこさんに会いました。墓地の奥にねこはいませんでしたが、

墓地周辺の人家近くでねこを見かけたのは、餌をもらう時間帯だったのかも。

どのねこも首輪をしてなくて、みんな”ノラネコ”さん?

稲佐悟真寺国際墓地も5月から始まる「長崎の町ねこ調査隊塾」で調べてみたいねこポイントです。

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墓地の中を歩くねこ

 

3. ねこ、あれこれ No.2

『ノラや』に思う、ねこと人の縁

ねこの名前はノラ。性別はオス。毛並みは薄赤の虎ブチに白毛多い。

しっぽは鉤になって曲がっている、つまり尾曲がりねこ。

住所は東京、麹町、飼い主は内田百閒(うちだ・ひゃっけん 1889年-1971年 小説家・随筆家)。

ある日、百閒先生の庭にねこの母子が住みつき、そしてしばらくすると

「どうか何分共よろしくお願い申します」

とでも言うように子ねこを残して、母ねこは姿を消してしまう。

「自分で猫を飼って見ようと考えた事もなく、猫には何の興味もなかった」

百閒先生だったが、この子ねこにノラと名付け、

可愛がるというより溺愛するようになっていく。

ノラは「顔つきや、特に目もとが可愛く、又利口な猫で人の云う事をよく聞きわけた」

それなのに1歳半になった春のある日、庭から出て行ったきり帰ってこない。

さあ、それからが大変。百閒先生は仕事も手に付かず、食事ものどを通らず、

眠れない日々が続く。毎日「ノラや、ノラや」と呼び続け、

御年68歳の百閒先生は「ノラの事を気にすれば涙が出て泣いてしまう」のである。

もちろん八方手を尽くして探すが、見つからない。

近所への張り紙はもちろんのこと、新聞に広告を出し、折り込みチラシを何度も入れ、

謝礼金まで用意して、探し続ける。近隣四か所の警察署へノラの捜索願を出して

「警察は人の生命財産がおかされそうな場合、保護するのが役目でして、

うちの猫は駄猫で、そこいらにいくらでもいると云われると、一寸勝手が違うのです。

あの猫は五萬円するとか、十萬円で買ったとか、そう云う事になれば筋が立ち易い」

と言って笑われる。しかし、そうは言うものの警察署から頻繁にノラに似たねこの目撃情報がとどく。

昭和30年代の東京の警察署はずいぶんのどかで親切な対応だったらしい。

1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎても、ノラの行方はわからない。

夢にノラが出てくる。目覚めると、まだ帰らぬノラを思いまた涙。

はたしてノラ君は無事帰ってくるのか?

結末を明かさないのは本を紹介する時の鉄則。続きは

『ノラや』(内田百閒 ちくま文庫 1,000円+税)をお読みください。

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たかがねこ、されどねこ。

ありったけの愛情を注いだ家族同然のねこの失踪を嘆き悲しむ百閒先生の気持ちは

ねこ好きさんにはわかり過ぎるほどわかるはず。

ふとした出来事で縁を結んだねこと人は、人と変わらぬ、いやもしかして

人よりも心の底で通じる気持ちがあるのかもしれない、と思わずにはいられない。

 

4. おわりに

毎日のように、ねこの写真を撮っています。

レンズを向けるとあっという間に逃げてしまうねこ。

じっとして、まるでカメラ目線でポーズをとるねこ。

ねこもいろいろです。

逃げたねこを探したら、溝の奥からこちらをじっと見ていたので

パチリ。

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5.おまけ

本の紹介です。

『にゃんこといっしょ』

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長崎猫の会 編著 汐文社 13
00円+税

かわいい子ねこの写真がいっぱい。ついニンマリしてしまいます。

そしていつもは禁句にしている「カワイイ」を連発。

写真の子ねこすべてが

保健所や地域ねこの現場から保護された

ねこたちなのだそうです。

この子たちの背後に

同じようにかわいいけれど救えなかった

多くの命があることを

忘れないでいたいと思いました。

『左利きの黒猫――ノア十七音のアルバム』

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かわさきあてね 木耳社 1000円+税

黒猫ノアの写真とノアと暮らす日常を五七五の俳句に結晶させた、すてきな本です。

どれもすばらしい作品ですが、とりわけ、心に残った句は

「親猫とおぼしきがおり霜の道」

「子猫とはもう呼べないで桜咲く」

でした。ねこへの愛情たっぷりの本です。

 

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