長崎大学文教キャンパスは、中央部のおよそ4ヘクタールほどの部分に、およそ50~60匹前後のねこが暮らしています。車通りは制限されており、暑さ寒さを避けるためのスペースも適度に確保できるため、比較的まちねこにとっては暮らしやすい場所と言えます。
しかし、特に不妊化手術が施されておらず、毎年繁殖期になると子ねこの姿を散見するにもかかわらず、トータルのねこの頭数は大幅に増加することがありません。少し詳しい数字を上げましょう。2010年夏から2011年夏までの約1年間に、新たにキャンパス内にデビューした子ねこは37匹。このうち、2011年12月の1ヶ月間に1度でも見かけたのは13匹に過ぎません。実に65%の子ねこが、1歳になるかならないかで姿を消していることになります。人の目に触れる前に幼くして亡くなる子ねこを加味すれば、この比率はもっと跳ね上がります。
また、ひどく痩せる・咳き込む・鼻が詰まって効かなくなる・毛づやがなくなるなど、明らかに体調を崩したねこがそのままふっつりと現れなくなるケースは2011年1~12月の1年間に5匹、不幸なことに車にはねられて亡くなったとはっきりわかっているねこも1匹います。
キャンパス内のあちこちで昼寝をしたり、学生にごはんをねだっているねこたち。一見なにげないように見える彼らの本当の暮らしは、実際は思った以上に苛酷なものなのです。
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