長崎県美術館では毎年「長崎県民アートボランティア事業」というのを行なっています。美術館活動を県民に近いものにするための活動ということになりますが、この事業のプログラムメニューとして、登録ボランティアさん向けに「ワークショップ『町ねこ探し隊!』」が開かれました。8月14日~9月2日に県民ギャラリーで開催される「岩合光昭写真展 ねこ」関連企画として、登録ボランティアさんが長崎のまちのねこを撮影し、それらが写真展の一角に設けられた展示コーナーで展示される予定になっています。
で、長崎の町ねこ調査隊塾として、このワークショップに参加してきました。県美術館スタッフと登録ボランティアさん、それに町ねこ調査隊塾の塾生を合わせて33名が出席し、まちねこの写真の撮り方についてざっと確認したあと、出島町の県美術館を出発して約1時間半、6グループに分かれてまちねこ写真を撮影して回りました。
出発前の確認に使った資料を紹介しておきます。
- ねこの居場所をみつける
- 今の季節であれば、ねこの居場所のキーワードは次のような感じ。「風通しがよい」「地面がひんやりしている」「日射しがあたらない」
- そして季節を問わず選ばれるキーワードは次のような感じ。「安全ですぐ逃げられる」「人目につかない」「地面が濡れていない」
- どちらかといえば好まれるのはこんな感じ。「低いところよりは高いところ(ねこにとって見通しがよい)」「だだっぴろいところよりは適当に入り組んでこぢんまりしているところ」
- 全体としては「塀やひさしの上」「家と家のすき間」「藪の中・箱の中」「人家の前庭」「駐車場の車の下」など。
- ねことの間合いを詰める
- ねこの警戒心をあおるのは、次のような行動・しぐさである。これらをできるだけ「しない」。「いきなりどんどん近づく」「あわててカメラを構える・手を伸ばして撮ろうとする」「かばんやポケットから何かを取り出そうとする」「ねこと正面から視線を合わせようとする」「大人数で近寄る」「大きな音を立てる」
- ねこを遠くに見つけたら、いつでもシャッターが押せるように電源をONにして、少しズームをかけてから、ゆっくりと「斜めに」近づいていく。カメラを構えるときはゆっくりと、また、自分の目を完全にカメラで覆ってしまわないこと(=ねこが逃げるタイミングになる)。気分としては「太極拳をしているつもり」で。
- あまりじっと目は見つめないように少し視線をそらしながら、おだやかな声でねこに語りかけつつ(かわいいね、とか誉めつつ)、ある程度は勘でシャッターを押す。同じ間合いで、少しずつフレーミングを変えながら、5~6枚かそれ以上撮る。
- ねこがこちらに気を許すようなら、少しずつ近寄っては、上の撮影方法を繰り返す。そのときに「ねこは、こっちを見ながら、どんなことを考えているだろう?」とか「今、ねこは落ち着いているだろうか、逃げだそうとしているだろうか?」とか、ねこに気を配ってみる。近づいて撮影したいのは山々だけれども、ねこがそれを許してくれるだろうか? と考えてみてほしい。
- フレーミングに気を配る
- とりあえず試みた方がよいのは次のようなこと。「鉄則」ではなく、「バリエーション」として試してみてほしい。「ねこの目の高さよりカメラを下にする」「ねこが寝そべっている=横位置、ねこが座っている=縦位置」「ねこの位置を画面の中心からやや外す(ただし、カメラのピントは自動設定では中心に合いやすいので、ピンぼけには注意」「ねこの毛色と、写真の背景との間に、コントラストが出るように工夫する」
- 出かける前のチェック
- バッテリと撮影可能枚数は十分あるか
- 撮影画像サイズは適切か……L判=89×127mmであれば200~300万画素(1600×1200~2000×1500程度)あれば十分だが、設定できるならそれ以上にしておくと、あとでトリミングや引き伸ばしがしやすい
- 撮影モードは適切か……明るい戸外のねこを撮る場合は、あまり深く考えずP(プログラムモード=ほとんどカメラにお任せ)とか、AUTOあるいはiA(全部カメラにお任せ)でかまわない。自分で使いこなせているカメラなら、適宜設定を工夫する。
- ホワイトバランス(WB)は適切か……オートホワイトバランス(AWB)がとりあえずは無難。下手にいじると、極端に青かぶり・赤かぶりした写真になるので注意。
- 感度設定(ISO)は適切か……カメラの限界ぎりぎりまで上げると画質は落ちるが暗いところでもブレは減る。ただし、戸外であれば暗くてブレることは少ない。上限よ
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